あえて言ってみよう。
9月になった。
9月。
それはすなはち夏休みがあと2週間ぽっちりで終焉を迎えることを意味してゐる。
これは大変なことである。たしかついこの間休みが始まったばかりなのに…!
時間泥棒を捕まえてとっちめてやらなければならぬ。時間泥棒はいずこ。
…などと不毛な思いを抱きつつ、一方で最近の涼しい気候には嬉しく感じてもいる。
私は一番秋の季節が好きなのだ。過ごしやすい気温だし、花粉も蚊も飛んでこない。温かいさつま芋や栗やらをもぐもぐやるのも良い。
それに何より秋服というものがなんか良いのである。なんか良いとは、例えば紅色や黄土色といった暖色系は見ていてもぬくぬくするし、分厚いコートを着込まなくてもさらりと一枚カーディガン等を羽織れば良いので楽チンだ。
このように秋の好きなところをいっぱい挙げることが出来るが、惜しむらくは他の季節と比べて期間が短いことである。単に気のせいかもしれないしそうではないかもしれないが、毎年のように感じることである。
今日はなんか寒いらしいと言われてコートを羽織り、次の日もまた寒いらしいと言われてコートを羽織り、そのまた次の日も…ときてふと、「あれ、ここんとこ毎日コート着てね?」と気づいた時にはもう冬が御到着していたりする。
今年もきっとそんな風にすぐ秋は行ってしまうのだろう。
そして「季節泥棒にやられたな。季節泥棒はいずこ…。」などとひとりごちながらむくむくと着膨れて大学に通うのだ。分かっているのだ。
先日上野の東京国立博物館に行ったついでに初めて旧岩崎邸庭園を見に行って来た。
まず外観を一目見て「でかー!」とたまげたが、中に入るとしっとりとした木の柱や調度、階段等がとても良い味を出していて落ち着いた。
ああいうレトロな雰囲気は結構好きだ。勿論純和風な建物も好きなのだけど。仁和寺とか修学旅行で訪れた時に「あ、住みたい。」なんて思ったりして。
邸はかなり広かったし住むには少し豪奢過ぎるのだけど、「遊びに来たまへ。」とか言われたら喜び勇んでホイホイ通ってしまいそうなぐらい素敵な建物である。
隣にビリヤード専門の建物があったりもして、さすがって感じだ。
もすこし涼しくなったらまた散策に行こうか。呼ばれたわけではないけども。