学年末の名の下にどっさり出された課題をようやっと駆逐して一息つこうとテーブルについたら目の前には豆と太巻が置いてあって「もう2月?!」
と思わずハトが豆鉄砲を食らったような顔をしてしまったワタクシでありました。
…節分だけに。(ボソリ)
いやいやこの日記もずいぶん御無沙汰してしまった。なにせ年始早々1月分がまるっと抜けてしまったのだから。
今回ばかりは妖怪のせいでも時間泥棒のせいでもない、課題レポートがめちゃんこたくさん出たからなのだ。
〆切間近には熱まで出し「今年"初(発)"熱だなぁアハハ…。」なんてむなしく布団にくるまったりなんとかにじり出て続きを書いたりしていた。
そんなこんなで具体的な過ごし方を練れないまま春休みを迎えてしまったので内心かなり焦っており、このソワソワ気分の流れで今日は出光美術館まで出かけてしまった(何故だ)。
美術館はモチロン有楽町まで一人で行くのも初めてだったのだけど、そんなに今日は冷えていなかったしリフレッシュできた気がする。
今はちょうど「物語絵―〈ことば〉と〈かたち〉―」という展示をやっていて絵巻物や屏風の類がたくさん観れた。ある物語を思い浮かべようとするとその挿絵だったり表紙だったりがまず浮かんでくるような気がするし、
昔の時代を想像するとそうしてどこかで見かけた絵が浮かばれてその時代や文化の象徴みたいになってたりするから、やはり視覚的イメージの力は小さくないのだろうな〜なんて思いつつ源氏物語絵のプリントされたクリアファイルを1つ買って帰路についた。
そして今思い出したが学年末の課題レポートのうち3つが源氏物語のテーマだった…。
終わって解放されたようで…自分…。
今日は2月22日だが"にゃんにゃんにゃん"で「猫の日」、或は"にんにんにん"で「忍者の日」でもあるらしい。似たようなモンだけども。
でも11月22日が"いいふうふ"で「良い夫婦の日」なのだから"ふうふうふう"とかでも良いのでは?なんて思ったりして…なんだかシチューのキャンペーンに使えそうな気がしてくる。
まぁそれは置いといて私は無類の猫好きであるから「猫の日」なんて言われるとちょっと「おっ。」と反応してしまう。ちなみに断わっておくと猫は好きでも猫アレルギーなので飼っているわけではない。
ただ家に白くて茶色ブチの野良猫がよくやって来るのでクシャミをしいしい撫でまわし、後々発疹を出しながらも膝に乗っけて戯れるのである。
そういえばこの野良猫に会う前は湧き上がる猫欲(?)をいかんともしがたくサンタさんに「夢猫」というおもちゃを求めたことがあった。猫の姿をしたロボットで(のび太君の引き出しから登場するヤツではない)
撫でたり押したりするとニャーニャー鳴きながら動くという、まさに猫好きだけど猫を飼えない悲しみをハートに抱えた子供たちに夢を与える代物である。
かくして小学生の私が聖夜に包装紙をバリバリと剥がして箱を開けると白くてふっさりとした毛を生やした猫が鎮座しており、私は「おぉっ。」と声をあげ喜び勇んでスイッチをオンにしてそのモフモフを撫でてみた。
するとその猫は「ニャーン」と声を発し次の瞬間「ウィーン」と首を動かした。
私はしばし固まった。
今の「ウィーン」は猫にしてはあるまじき声であり、むしろロボットにふさわしき可動音と言えるだろう。いや、確かに猫とは言えどあくまでロボットなのだからこのくらい音はするよねーと思い直し幾度かなでなでしてみたものの、
どうにも「ニャーン…ウィーン…ゴゴゴ…ニャーン…」という一連の音声の不自然さが拭えずこの「夢猫」はスイッチオフの状態で棚の上に置かれ、気が向いた時に毛のモフモフした感触を確かめられる鑑賞用になってしまったのであった。
別に「夢猫」が悪いわけでも非難したいわけでもない。ただ小学生の私はそこで「あゝ、やはり本当に生きているものと作り物は違うのだ。」と実感したのである。そしていつか名前を呼んだら本当の猫がニャーンと走ってきて足元をスリスリしてくれたらいいのになー
と願っていた。
ほどなくして生まれたばかりの白く茶色ブチの野良猫が我が家に現れ、今年でもうずいぶん経つ。最初は三毛猫の母親とやけにずんぐりむっくりした親父、そして2匹の兄弟がいたが今は皆いなくなってしまった。
一番小さいゆえに「チビ」と名付けられた猫だったが今ではまあるい体でのびのび過ごし逞しい限りである。安易に命名するモンじゃない。
今日も私が買い物から帰ってくるとコロコロと白饅頭のように軒下をまろびながら出迎えてくれた。「今日は猫の日なんだってさ。」といいながら撫でくりまわしてやると喉を鳴らしてご満悦である。そこには確かに温もりがあり、
可動音もしないのでコロッケさんのロボット五木ひろしみたいなことにもならない。
そうしてひとしきり癒された私は家に入り、時間差で訪れたアレルギーと花粉症のWパンチにクシャミやら手の痒みやらに襲われ女子にあるまじき激しい音を立てながら鼻をかみまくったのであった。