2016年8月、福井県立美術館で開催されていた、『福井移住400年記念 岩佐又兵衛展』を観てきた。
え、誰…?
と思ったそこの貴方。大丈夫ですよ私も去年知ったばかりだから。(なんだこいつ)
現在、一般に広く知られてはいない絵師ですが、今!まさに!ブームが来ようとしている…!と個人的には感じてます。
ついこの間の若冲展の賑わいが記憶に新しいけども、近世頃のちょいとアヴァンギャルドな絵師が注目される流れがあるからです。
この辺りを知るには美術史学者、辻惟雄さんの著書『奇想の系譜』がとても分かり易く面白いのですが…そこで取り上げているのは、岩佐又兵衛・狩野山雪・伊藤若冲・曽我蕭白・長沢蘆雪・歌川国芳!…なんだか最近聞いた名前が多くありませんか?
そして今春は又兵衛の『洛中洛外図屏風 舟木本』が国宝に指定され、さらに来春は東京の出光美術館で展覧会があるのです。
東京となれば観に来る人もきっと増えるはず。
そんなわけで、とてもホットな絵師の一人と思うわけであります。
私は大学3年の夏、図書館で『小栗判官絵巻(をくり)』に関する本を読んで、又兵衛作品に興味を持つようになりました。
大学院から美術史学をやろう!と思ったのも、この出会いあったればこそ。
実は当時、ちょうど三の丸所蔵館で絵巻を展示していたのですが、本を読んだまさにその日が展覧会の最終日だったという。
展覧会とか無いかな〜?とワクワクしながらスマホを出して調べた時の、私の顔を想像して頂きたい。無表情なること能面の如し。
そんな悲しい出来事があったもんだから、たとえ福井であろうとも観に行くべし!と気合を入れて行きました。
盛りだくさんで充実した内容、お腹いっぱいになりましたよ。(見続けたため昼飯は食い損ねましたが)
大和絵の雅で穏やか〜なイメージとは一味違う、俗っぽいような生々しいような、濃密なエネルギーに満ち満ちた“又兵衛風”作品。
是非一度ご照覧あれ!
※あ、因みに私はグロいのは苦手な方です。
いえね、又兵衛っていうとね、ちょっとそういう要素もあってそれがまたインパクトある描きっぷりなもんだから。印象に残りやすいんでしょうね。
そのせいで「又兵衛好きです!(ドヤァ)」と言うと“えっアナタそんな草食動物みたいにのほほんとした顔して又兵衛って…”的な顔をされるので(被害妄想)、念のため(笑)
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